「東日本大震災の発生から15年過ぎている」と言葉にすると、かなり長い時間が過ぎたように感じます。
福島県に個人的な縁はないのですが、記憶に残る経験した地震の中では、東日本大震災が最大であり、当時の記憶を覚えています。東北ではないのですが、住んでいるところでは震災時は大きな揺れを体験したと記憶していますし、震災後は一時的に、給食に影響がでたことを覚えています。
先日、環境省主催の大学生向けのスタディツアー(1泊2日)に参加しました。
この記事はツアー参加後、東日本大震災を取り巻く事象を中心に、結論をだしにくいことも多い中で言語化したものです。

ツアーの参加で満足せず調べながら書かないと、と思うと今度は記憶とそれに付随する感情の鮮度が落ちてしまいますね。訪れた日から投稿まで期間が空きすぎた気がします。
東日本大震災関連について取り扱います。震災遺構 浪江町立請戸小学校など、震災に関連する写真を使用するため、あらかじめご了承ください。
写真は「なみえ焼きそば」です。去年くらい(2025年頃)に少し話題になっていましたね。初めて食べました。
参加したツアーでは以下の場所を訪れました。
ツアーでは、福島県浜通りを訪れました。福島県は山地によって大きく3つに分けられて、西から会津、中通り(中央)、浜通り(沿岸)と言われています。
今回は、次の場所に訪れました。
東日本大震災・原子力災害伝承館
震災遺構 浪江町立請戸小学校
中間貯蔵施設
道の駅なみえ
長泥地区視察
大学生対象スタディツアーについて
まず、スタディツアーの特徴について紹介します!
(環境省主催)大学生向けスタディツアーの特徴
福島、復興に興味・関心をもつ大学生と交流できる!
なかなか日常では福島や震災、復興について語り合うことは難しいと感じます。それぞれが人に伝えてない様々な背景がある中、いきなりセンシティブな側面をもつ話題を切り出すのは慎重にならなければなりません。一方でツアーでは、興味・関心があることがある程度前提にあるので、話題にしても不自然ではないところが強みだと思います。
私自身、東日本大震災・原子力災害伝承館を訪れた後に、となりの方に「原子力発電(原発)についてどう思うか」と聞かれたところから、ポツポツと話し合ったりしました。当然、初対面の方です。このように、ツアーでは行先を中心に会話・意見を交わすことがあります。しかし、日頃の会話内容としては、そのような流れはまずなく、極めてまれなことだと思います。
2日間じっくり福島、復興、震災について考えられる!
他のことを考えることができないくらいでした。卒業研究もありましたが、震災について考え込んでいました。SNSを徘徊するツールになりつつあるスマホで関連事項を調べたのはいつ振りか、と考えるだけで少し自分の無関心さにおそろしくなりました。(良し悪しは別で)日頃、生活圏しか考えていないことが突き付けられたような感覚です。
(ツアーでの宿泊費、)交通費、新幹線代がでる!(住む場所によって制限があるのでご注意を!詳しくは募集案内を確認!!!)
正直、これがなければ応募してなかったと思います。個人的に新幹線代は応募のストッパーになりますね……新幹線で行けるのはいいですね
そもそもどこでこのツアーを知ったのかということになりますが、大学からのメールで大学生向けのスタディツアーの存在を知りました。
(個人的な推測を含みますが)調べたところ、公に大学生向けのスタディツアーを募集している様子はないので、ある程度募集する地域を絞っているのでしょうか。(詳しく調べてないだけで、どこかには載っているかもしれません。)
東日本大震災・原子力災害伝承館
東日本大震災・原子力災害伝承館 : https://www.fipo.or.jp/lore
トリアージの写真は載せませんが、名前(伏せられている)と症状、トリアージが書かれたホワイトボードが展示されていました。トリアージの言葉は聞いたことがありましたが、現場の展示は胸が締め付けられます。展示にあった以上にトリアージを行っていて、その中には、酷な判断をしたケースもあったと考えられます。
語り部の講演も拝聴しました。迫真の表現で、(スライドで写真など使っていましたが)聞いているだけで心に重くのしかかってくる話し方でした。被災して県外に避難した子どもたちの話が印象的です。地元に帰りたくても帰れないことがどれだけ辛いことか、避難したその後に考えが至っていなかったと痛感しました。県外へ避難したら当然既存のコミュニティは残っていないため、新しいコミュニティに入ることが求められます。上手くやっていけるかわからない中、戻りたくても戻る場所がないという孤独まで思い至っていませんでした。
震災遺構 浪江町立請戸うけど小学校
震災遺構 浪江町立請戸小学校:https://namie-ukedo.com
浪江町立請戸小学校は、2021年10月27日に一般公開を開始したようです。名前は震災後から有名で知ってはいましたが、一般公開が最近で驚きました。

写真中央にある青いプレートの白線が津波の到達線です。
10mといわれてもなかなかイメージしずらいものですが、請戸小学校には津波が来たところに看板があり、1階の教室よりも高い位置に跡があります。教室を優に超える高さで津波が押し寄せる、自然の容赦ないところが表れているように思いました。震災当時がそのまま残っているということで、津波に押し寄せられて、部屋はぐちゃぐちゃになったままです。



直接目にするとかなりなまなましいですが、無慈悲で無作為なところが自然の恐ろしいところであり、人間には太刀打ちできないとひしひしと伝わってきました。いかに迅速に判断し、行動できるが生存を分けるのだと思いました。
そのまま残されたなまなましい様子だけではなく、雰囲気込みで津波の恐ろしさが伝わってきます。
どれだけ「津波は危ない」といってもその威力はなかなか想像できないところでしょう。確かに、震災後に津波に家や車がのまれていく動画がSNS上に出回り、見た記憶があります。そのときは、車(≒固定されていないもの)が流されたという圧倒的な流す力はわかりつつも、ドア(≒固定されたもの)を曲げる力があるところまで理解が至らなかったりします。
児童は学校から約1.5キロメートル離れた大平山に避難したとのことですが、津波到達まで40分もない中、避難を迫られるのは児童や先生たちにとって不安と恐怖でいっぱいであったことは想像に難くありません。
中間貯蔵施設
こちらが環境省の本題のようでした。恥ずかしながら、ツアー参加前は施設について知らないゆえに、ピンときていませんでした。
案内してくれた方曰く、原子力発電によって雇用が増えたそうです。東日本大震災・原子力災害伝承館にもそのような説明をつけた展示物がありました。
ちなみに、多くの原子力発電所は冷却の関係で海沿いにあります。
ここに現時点での個人的な考えを書き留めておきます。原発を増やすと政府が明言する中、中間貯蔵施設は原子力発電の事故の負の象徴であると思うのですが、そう簡単に再稼働や増設の賛同が得られるものではないでしょう。一方で、インターネットが普及し、電気の消費は増加の一方をたどる中、エネルギー効率の面でコストパフォーマンスが最高と言える原子力に頼りたいという気持ちも理解はできる。生成AIの台頭で消費電力は増加傾向を辿っていますね。メリットとデメリットをもつわけですが、いかんせん原子力発電については負の側面が目立ちすぎているようにも思います。世間の目が厳しいなか、今後も使用する以上、事故の可能性はゼロになることはありませんが、安全(危機管理ができた運営)であることを数十年かけて証明していくしかないように思います。それか、より効率よく発電できて、安全な発電方法の実用化を待つかどうかですかね。
道の駅なみえ
浜通りにある道の駅なみえに訪れました。2020年8月オープンで比較的最近ですね。
道の駅なみえ:https://michinoeki-namie.jp/
休日のツアーだったため、食事処はかなり混雑していました。木材で温かみが感じられる施設に活気があふれていてあたたかい空間でした。町の人が使う場所、誰かにとっての憩いの場なんだなあって実感しました。
なみえ焼きそばを食べました。私が普段食べるやきそばや屋台の焼きそばとは太さが異なり、数倍太いです。噛み応えがあっておいしかったです。

福島の福とかけてポケモンのラッキーがいます。かわいいですね。同じピンク色ということ(?)でしょうか、ベロリンガもいました。

道の駅なみえでお土産を買っていきました。福島の特産である桃(福島は桃の生産量全国2位)を使用したお土産にしました。
浪江町にある世界最大級の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」で水素で発電し、それを照明や空調で使っているそうです。再生可能エネルギーで賄っていたとは知りませんでした。
長泥地区
ビニールハウスでみごとに育った草花を見ました。
現在も風評被害の払しょくに苦労されているようでした。数年前に別の機会で、福島のお米の風評被害について苦労している話を伺っていました。周囲では福島の風評被害を聞くことはなかった一方で、その悩みが数年たっても変わらないことに驚くとともに悲しくなりました。規定値は下回っているのに風評被害が消えないというのはもどかしいものがあります。
おわりに
以前も福島の浜通りを訪れる機会があり、前回も今回も当時すべてを飲み込んだ海は、おだやかで震災当時の影は見えないものでした。
復興の現状を画面越しではなく直接見て、復興が進んでいるとは言い難い地域を通ったりしたのもあり、「なにをもって復興を成し遂げたと言えるのか」を考え続ける必要があると思いました。震災で失われてしまったものは大きく、「成し遂げた」と言うことはないような気もします。
震災の発生から現在まで全国には避難されている方々がいて、帰還困難区域に指定された家に帰ることができない方々がいて、それでも日常は続いている。震災は終わっていないと感じるとともに、震災に終わりはあるのだろうかと途方もない気持ちにもなりました。
ぜひツアーに参加してください。
画面越しではなく、現地に訪れること、現地の方の声を聴くことで感じるものがあると思いました。実際に行くことで他人事から自分事になると感じます。正直に言って、ツアー前はどこか他人事のように遠いところにあるような感覚でした。
ツアーで数日ほど、震災や復興、福島についてじっくり考える時間があるのはいい機会でした。
当時は、大学や研究など自分の眼の前のことで思考が埋め尽くされていましたが、一旦横において、震災・復興に目を向けることができたのはとても意義がありました。
【+α】復興、再生事業について詳しく知りたい方へ
以下、記事を書くにあたって、調べているときに見つけたサイトをまとめています。いずれも省庁のリンクを載せています。
復興について全般としては、復興庁のサイトがよくまとまっています。
環境再生事業、最終処分についてや、(大学生限定ではない)一般向けのツアーや環境省の「福島、その先の環境へ。」がよくまとまっています。
震災による復興が一歩ずつでも前に進んでいくことを心から願っています。
では、また。
